ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、インターネット販売のデメリットを解決するべく、デジタル技術を活用して、今までに「ZOZOSUIT」や「ZOZOMAT」などの身体計測サービスを開発しました。これにより、消費者は実際に店舗で靴や服を試着しなくても、身体にピッタリ合ったサイズの商品を購入できるようになりました。
そして2022年4月5日、ZOZOは新たにAR技術を活用して、自分の顔にバーチャルメイクを施すことができる「ARメイク」というサービスを開始しました。
今回は、「バーチャルメイク」(ZOZOの「ARメイク」)について取り上げていきたいと思います。
そもそも「AR(Augmented Reality)」とは何か
「AR」とは、現実の風景にCGデータやコンテンツを重ねて表示する技術です。現実世界に情報を加えて拡張する性質から「拡張現実」とも呼ばれており、様々なサービス・分野で活用されています。
具体的には
- プレイヤーが所有するスマートフォンの位置情報やカメラ機能を利用して遊ぶことができるモバイルゲーム
- 写真を撮るとき、実際の映像に動物の耳などのCGデータを加工できるアプリ
- 自分の部屋に家具のCGデータを配置し、商品を購入する前にサイズや色を確認できるサービス など
特にコスメ業界では、消費者に実際の使用イメージを持ってもらうことで、ネットショップでの商品購入率を上げるため、資生堂やKANEBOをはじめとする多くの企業で「バーチャルメイク」が導入されています。
コスメ業界におけるAR技術の活用事例:「バーチャルメイク」
自宅で簡単!まるで鏡を見ながら商品を試しているかのような体験ができるZOZOCOSMEの「ARメイク」
2022年4月5日から、ZOZOTOWN上のコスメ専用モール「ZOZOCOSME」で開始された新サービス「ARメイク」。
本サービスでは、ZOZOCOSMEの商品のうち、ARメイクに対応したコスメアイテムを自分の顔をベースに試すことができます。今回、筆者も利用してみましたので、レポートしたいと思います。
ARメイクを利用するには、「ZOZOTOWNアプリ」から、対応商品の商品詳細ページ右上にある「ARメイク」アイコンをタップ。すぐにARメイクに画面が切り替わります。ZOZOCOSME内から対象商品を探すには、アプリで「ARメイク対象」と検索すると良いでしょう。(本サービスは、ブラウザに対応していないので注意する必要があります。)
ARメイクの画面の右側に、「on」、「half」、「off」とボタンがありますが、こちらをタップすることでバーチャルメイクをする範囲を選択することができます。自分の顔の全部ではなく、半分だけメイクをした状態にもすることができるので、スッピンの状態とコスメをした状態を比較することが可能です。

※画像はイメージです。
本サービスで特筆すべき点は、本当に自分の顔にメイクされているように感じるほど自然にバーチャルメイクが施されていることです。
たとえば、バーチャルリップをつけた場合、唇からリップがはみ出しているなどということはありません。メイクすべき部分にしっかりとバーチャルメイクがされているので、違和感を覚えることはないでしょう。
また、ARメイク使用中に表情を変えてもバーチャルメイクが外れることはありません。
たとえば、マスカラをした状態で瞼を閉じてもしっかりとまつ毛がカールした状態になっていますし、リップをした状態で口を開閉したり、唇を丸めたり尖らせたりしてもリップが外れません。
まるで本当にメイクをしているかのような状態になるので、実際の使用イメージをしっかりつかむことができるだけでなく、自分に合った商品を探すのも楽しめそうです!

※画像はイメージです。
残念ながら、「ARメイク」はZOZOCOSMEのすべての商品には対応していません。試しに「ARメイク対象」と検索すると、異なるカラーの商品を含めて809件ヒットしました(2022年8月時点)。ZOZOによると、対応ブランド、アイテムは拡充予定ということで、今後に期待です!
ZOZOにARメイク体験機能を提供した「パーフェクト株式会社」について
ZOZOのARメイクの導入は、「パーフェクト株式会社」がバーチャルメイク機能のブラウザ向けモジュールを提供したことによるものです。
パーフェクト株式会社は、美容業界とファッション業界におけるデジタルトランスフォーメーションに注力しており、ARメイク体験機能をこれまでにも美容・コスメ企業に対し提供しています。
ご興味のある方はぜひウォッチしてみてくださいね!