
Nianticは2022年5月24日、25日に開催されたLightship Summit 2022で「Lightship VPS」を発表しました。
最近のXR界隈で賑わいを見せているVPSですが、あのNianticからもVPSが提供されるということで、とても注目が集まっています。
そこで今日はLightship VPSの紹介をすると共に、Googleからも最近発表されたVPSである「ARCore Geospatial API」との比較をしようと思います!
この記事を読むと分かること
- Lightship VPSはどのようなVPSなのか
- ARCore Geospatial APIとの違い
- Lightship VPS、ARCore Geospatial APIそれぞれの使いどころ
Lightship VPSとは?
Lightship VPSは、ポケモンGOなども手がけるNianticが提供を開始したVPSシステムです。
VPS(Visual Positioning System)の解説はこちらの記事でもご紹介しているので、ぜひご覧ください。
Lightship VPSは、Nianticが提供するAR向けのSDKである「Lightship ARDK」に追加された機能だと理解していただければOKです。
Lightship VPSは、Nianticが独自にスキャンをして作成された3Dマッピングを活用し、カメラの画像と3Dマッピングの特徴点を比較することでデバイスの位置の特定を行います。
精度的にはセンチメートル単位の精度でARコンテンツを固定できるようです。
現時点では、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、ニューヨーク、ロンドン、東京の6都市の3万以上のロケーションで利用可能です。
Lightship VPSでは、ユーザーがスキャンした3Dマッピングをシステムに追加していくこともできるので、使う人が増えれば自ずと利用可能エリアも増えていくというオープンソース的な仕組みとなっています。
現在Lightship ARDKはiOS、Android、Unityでの開発に対応しています。
ARCore Geospatial APIとはどう違うの?

Lightship VPSとARCore Geospatial APIとで、大きく違う点はズバリ…
デバイスの位置を特定するために用いる3Dマッピングの種類
です。
Lightship VPSはNianticが各地でスキャンした3Dマッピングデータ、ARCore Geospatial APIはGoogleストリートビューのデータを使って特徴点比較を行います。
それぞれの利点としては
Lightship VPS
- 特徴点比較に3Dマップデータを用いるため、特定のランドマークにARコンテンツを固定することができる
- 開発者やポケモンGOユーザーなどが撮影したスキャンデータを収集することでランドマークの拡充ができる
ARCore Geospatial API
- Googleストリートビューが使えるエリアで利用できるため、Lightship VPSと比べて利用できるエリアが多い
あたりがあげられます。
簡単にまとめると、Lightship VPSはあくまでも特定のランドマークエリア、ARCore Geospatial APIはストリートビューのある道路全般なので、カバレッジだと圧倒的にARCore Geosptial APIですが、屋内のランドマークなどではLightshipに軍配が上がるかもしれません。
どちらにせよ、必要な要件に合わせてどちらを採用するかを検討する必要がありそうです。
まとめ
今回はNianticが発表したLightship VPSのご紹介と、ARCore Geospatial APIとの比較をしました。
XR業界を牽引していく技術であると注目されているVPSに今後も目が離せませんね!
筆者のボヤキ
Lightship Summit 2022の開催時間がアメリカ時間で10:00からだったので、日本時間で朝2時スタートだったんです。次の日仕事でしたが、絶対見たかったので頑張って起きていたのですが、私が買ったチケットが無料版だったためJohn Hankeさんのオープニングセッションしか見れませんでした笑
来年はちゃんとチケットを買って、欲を言えばサンフランシスコに行きたいですね!