VRコミュニケーションツール「NEUTRANS BIZ(ニュートランス ビズ)」で有名な株式会社Synamonは、株式会社ジィ・シィ企画と合同で、国立大学法人北海道大学(以下 北海道大学)の学生協力のもと、採用活動におけるVRの有用性に関する調査を実施したとのことです。
本調査の目的と背景
コロナ禍でリモートワークが当たり前になり、様々な企業活動がオンラインへと移行されました。採用活動も例にもれず、オンラインを活用しての実施へと切り替わりましたが、オンラインの弊害として様々な情報がそぎ落とされてしまうという側面がありました。
そのような背景をふまえ、本調査では企業の採用活動における会社説明会やグループディスカッションなどの選考フローをVR技術で実施し、学生目線での意見を収集したとのことです。
調査内容について
今回の調査では北海道大学の学生25名を対象に、「Zoom」と「NEUTRANS BIZ」を使用して下記プログラムに参加してもらったとのことです。
- Zoomでジィ・シィ企画の会社説明会
- VR空間でジィ・シィ企画の会社説明会
- Zoomでグループディスカッション
- VR空間でグループディスカッション
調査結果について
会社説明会の理解度
会社説明会の理解度はWebの方が高いが、VRの方が興味喚起をおこしやすい。

会社への興味度
情報を伝えるだけではなく体験を共有できるというVRの強みが、企業への興味喚起にも役立ちました。

グループワークのやりやすさ
グループディスカッションは、やりやすさはWebの方が優位でしたが、リラックス度やアイデアの発散性はVRの方が高いという結果になりました。

リラックスして取り組めたか
全体的にVR実施の方が「対面で話している感覚がある」「同じ場所に集まっているように感じた」という意見が多かった一方で「周りの人の反応を表情から伺えないためファシリテーションがしづらい」という意見もでました。

アイデアの発散性
アバターのコミュニケーションの方が気軽に意見を出せたことやVR空間やアバターという非日常性がアイデア発散につながったようです。

本調査では、一概にVR実施の方が優位性があるとはいえず、ツールへの慣れや通信環境、VR機材の装着といったハードルもあり、会社説明会の理解度やグループワークのやりやすさではWeb会議システムの方が優位となったとのことです。参加者のうち、今回初めてVRを体験した学生が88%だったことからも、使用が慣れているWeb会議システムの方が優位であり実際に、学生からは「Zoomの方が慣れがありスムーズに実施でき た」「Oculus Questを長時間使用すると疲れる」「通信負荷の大きいVR実施はメンバーが頻繁に落ちたりして度々進行が止まった」といった意見が多く上がったようです。一方でVR機材の発展は目覚ましく、進歩のスピードを鑑みるとVRツールは採用活動においても大きな価値をもたらすことでしょう。
(参考)
Synamonプレスリリース